マイオブレース矯正について
とし歯科クリニックの髙野です。
先日、福岡で行われたmyobrace(マイオブレース)矯正のセミナーに参加してきました。
マイオブレース矯正はオーストラリアのMyofunctional Research Company(MRC)社が実践している小児矯正です。一般の小児矯正と比べ、岡山ではまだ広くは認知されていませんが、海外では30年以上の歴史があります。
歯のみに注目してワイヤーでグイグイ動かすアメリカ由来の矯正治療ではなく、不正咬合(出っ歯、ガタガタの歯並び、受け口など理想ではない噛み合わせのこと)の原因に対処することで歯並びの改善を行おうとする小児矯正です。
歯並びが悪くなる原因は遺伝要因と環境要因に分けられますが、MRCにおいては遺伝要因は少なく、環境要因が主であると考えます。
ここで言う環境要因とは毎日の習慣、習癖のことを指します。
例えば、最近のお子様は口輪筋(口を閉めるための筋肉)が弱くなって口がぽかんと開いていることが多く、口がずっと開いていると先に書いたような口呼吸が始まります。
口呼吸が習慣になる→舌が本来あるべき上顎にあると呼吸の邪魔になるので舌が下に落ちる→下へ落ちてきた舌は筋肉が衰える。
このように口の周りの筋肉が弱くなったり、バランスが崩れることで上顎骨や下顎骨の成長が悪くなり、歯並びにさまざまな悪影響が及びます。
成長期の子どもの口の中は永久歯への生え変わりや上下顎骨の成長等ダイナミックに変化していきます。これらの変化に対して、習慣・習癖が大きく影響してくるのです。マイオブレース矯正では歯に注目するのではなく、正しい呼吸の方法、舌の筋肉のトレーニングと正しい位置、飲み込み方、唇の閉じ方を改善します。
その結果、上顎骨と下顎骨を正しい方向と大きさに成長させ、不正咬合の改善します。
実践方法はマウスピースを日中1時間と就寝中に入れていただきます。さらに簡単なお口の体操を続けることが大切です。
始めるタイミングとしては、下の前歯がぐらぐらして生え変わる時(6歳から7歳)が理想的です。
幼少期に正しい習慣が身に付くと、生涯を通じての全身の健康へとつながるので、お子様にとって非常に大切なプレゼントになると思います。
・鼻ではなく、口で呼吸をしていませんか?
・テレビを見たりゲームをしているときに口が開いていませんか?
・飲み物を飲み込むときに唇が変形していたり、オトガイ部(前から見たとき下あごの真ん中)にしわが寄っていませんか?
・肩を大きく動かして呼吸をしていませんか?
日々の忙しい生活の中で、お子様の口ばかりに注目していられない状況であることも同じ子供を持つ親としてよくわかりますが、少し注目してみてください。
上記のような特徴が見られるようであれば、間違った習慣・習癖が身についている可能性がありますので、一度ご相談いただければと思います。