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虫歯を作らないために必要な道具2

とし歯科クリニックの髙野です。

今日は虫歯対策の続きを書きます。

混合歯列期(永久歯が生え始め、乳歯と永久歯が両方ともある場合 6才から12才くらいまで)

6才くらいになるとまず、下の前歯がグラグラしてきて永久歯の前歯が生えてきます。

前歯は良く見えるし、乳歯もグラグラしているので目が届きやすいのですが、この同じ時期に一番奥の乳歯のさらに奥に大きな第一大臼歯(6歳ごろ生えるので6才臼歯とも言います)が生えてきます。一番奥にこっそり生えてくるので、親御さんが見逃しやすく、汚れが残り続けることで歯茎が腫れて、子供が「噛んだ時に奥が痛い」と訴えたときにはじめて気が付くときが多くあります。

生えたての第一大臼歯は噛み合わせの面が非常に複雑で深い溝を持っており、この溝の中には通常の歯ブラシは届きません!

もう一度言います。この溝の中には歯ブラシは届きません!

歯ブラシが届かないとどうなるかは自明だと思います。この深い溝は、生えたての永久歯の奥歯に特徴的で、おとなの奥歯には見られることはあまりありません。

これは、日々の食事で食べ物が歯に押し付けられることによって溝の部分が削られ溝が浅くなるからなのです。

この深い溝を磨くためには「タフトブラシ」が効果的です。タフトブラシとは歯ブラシの毛束が一本だけあるような歯ブラシのことです。色んな形があるのですが、真ん中が尖ったタイプのものが溝を磨くのに適しています。

普通の歯ブラシで磨いた後、第一大臼歯の噛み合わせの面をタフトブラシで磨くと良いと思います。

さらに、この厄介な溝をあらかじめ白い人工物で埋めて平にする「シーラント」という処置もあります。

歯の頭が全部見えないうちはタフトブラシで清掃していただき、しっかり見えるようになったらシーラントをするとよいと思います。

生えたての永久歯は十分に石灰化(ミネラルをしっかり取り込んで硬くなること)しておらず、酸に対して抵抗力が低く虫歯になりやすいです。

その反面、フッ素を取り込みやすいという特徴もありますので、歯科医院とご自宅でのフッ素塗布を行うことは虫歯予防に非常に効果的です。

今回説明した深い溝は乳歯の奥歯にも認められます。

2~3才にシーラントの処置は難しいことが多いのですが、乳歯の奥歯は12才くらいまで使うことになりますので、4、5才くらいで歯科治療ができるようになったらできるだけ行うことをお勧めいたします。

とし歯科クリニックでは、タフトブラシ、シーラント、フッ素塗布、これらを組み合わせて虫歯のない永久歯列をになるようにサポートさせていただきます。